やすの銭湯日記

2002年7月7日
吉の湯

杉並区成田東1-14-7

非常にいい天気で暑い七夕の日、今日も懲りずに銭湯めぐりである。いや、むしろこのくらい暑い日に、銭湯に行ってすっきりするというのはなかなか気持ちのいいものである。

高円寺駅前からバスに乗り、松ノ木住宅のバス停で下車、そこから歩いていくとちょっとおしゃれな古い住宅街が現れる。歩いているとどこかの家からピアノの音が聞こえてきた。のどかな雰囲気だが、やはり暑くて汗びっしょりである。

銭湯の前にたどり着いて、さて中に入ろうかと思ったとき、女湯の方から猫がとことこと歩いてきた。入口前にちょこんと座り、こちらを見ている。どうやらこの銭湯で飼われている猫らしい。さっそく写真を撮った。猫も写った銭湯の写真は初めてだ。

猫に見送られながら下駄箱に靴をしまい、自動ドアの男湯側から中に入ると‥‥中はフロントになっていた。番台だった時代の男女分かれた入口を残したままフロントをつくったのだろうな。お金を払おうとしたのだが、ご主人はフロントで居眠りの真っ最中。常連さんらしき人が「お客さん来たよ」とご主人を起こしてくれた。ちょっと恐縮しながら四百円を払い、脱衣場に入る。

この銭湯はちょっと面白い雰囲気で、脱衣場にはスイッチの入っていないマージャンゲームが置かれていたりする。ちょっと昭和のレトロな感じで外ののんびりした空気がここにも漂っている気がする。

そういえば手元の資料には、この銭湯にはサウナがあると書かれていた気がするのだが、入口に別料金とは書かれていなかったなあ‥‥と思って浴室に入ると、サウナは設置されているものの、残念ながら使われておらず、室内には掃除用具が並べられていた。物置となってしまったようである。

しかし、サウナはなくともこの銭湯の魅力はまだまだ残っている。何といってもこの昭和時代の雰囲気はこれぞ東京の銭湯という感じがするのである。湯舟の背景画はもちろん富士山、そして湯にはアロエの青い入浴剤が入っていて、今日のような暑い日でもすっきり浸かることができた。

帰りの時はフロントにおかみさんが座っていた。ご主人ちょっとお疲れかな。



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