やすの銭湯日記

2000年5月5日
谷中湯

杉並区高円寺南5-30-19

五月五日はこどもの日、端午の節句。しかし、私にとって重要なのは東京都内の銭湯で行われる「菖蒲湯」である。今回は、先日銭湯仲間と呑み歩いていたときに偶然前を通った谷中湯に行ってみることにした。

家から徒歩で約十二分。意外と近い。入口に「ご自由にお持ちください」と書かれていて菖蒲の葉が置いてある。余ったんだろうな。持って帰ってもいいのだが、どうせここで菖蒲湯に入るのだから、わざわざ家まで運んでも使い道がないだろうということでやめた。

フロントでお金を払ったら、「くじをひいてください」と言われた。そう言えば、以前にも何度かこういうイベントがある日があったなあと思いつつ、竹ひごを一本ひくと、先が緑色に塗ってある。「二等賞」と言われてびっくり。こういうのはことごとく当たったことがなかったので、まったく期待していなかったのだ。いただいたのは入浴券二枚。いやあ、ありがたい。

いい気分で中に入り、服を脱ぐ。ここの銭湯は背景画に特徴がある。何と言ったらいいのか、男性が意味不明のポーズをとっているモザイク画なのだ。かなりシュールな感じがする。銭湯の風情とははっきり言ってあわないのだが、銭湯めぐりをする身としては、たまにはこういう異色の絵があった方が楽しくてよい。

カランも使いやすくて湯温もいいこの銭湯、もちろん、掃除もいきとどいている。湯舟は手前に張り出している部分があって十分な広さを確保している。菖蒲の香りはいまいち弱かった気がするが、しっかり温まることができた。



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