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2000年5月9日
港区港南4-2-20
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品川での宴会に出席するついでに、港区の「海岸浴場」に行くことにした。品川駅の港南口を出て、既に夕方の閑散とした通りを歩き、都営住宅の一階に構える銭湯ののれんをくぐる。番台形式の昔ながらの銭湯なのだが、東京ではよく見る破風造ではない。
番台で、先日くじを引いて当たった入浴券を出し、中に入る。トイレに行こうかなと思い、服を脱いでからそれらしきドアのところに行くと「故障中」の貼紙。今回はそれほど切羽詰まっていなかったから我慢できたものの、いざというときにトイレが使えない銭湯というのはかなりこわいかもしれない。
浴室はかなりシンプルで、シャワーつきのカランも一列しかない。そこに座ってふと上を見たらシャワーの蛇口が取れてしまっていた。隣に移って蛇口をひねったら、お湯がじゃーっと‥‥出てくることはなくて、ちょろちょろとたれるのみ。これで頭を洗うのはかなり難しそうだったので、おとなしく桶に湯をためて頭にかけることにした。シャワーつきが当然という便利な風呂に慣れている人には耐えがたいに違いない。
湯舟の後ろには富士山のタイル絵。そして、湯舟の中にはパイプがむき出しで通っており、そこから申し訳程度の泡がぶくぶく出ている。湯に浸かって天井を見上げると、あまり見慣れない形式の天井。こういう光景を見ながらぼーっとしていると、何だか不思議な気分になる。昔の日本の雰囲気とも違うし‥‥なんとなく、外国の田舎で風呂に入っているような感じだ。
設備は決していいとは言えないが、清潔さなどに関してはそれほど気にならなかった。毎日行くとなると不満が多い銭湯かもしれないが、銭湯めぐりをする身としてはなかなか楽しい銭湯だった。
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