やすの銭湯日記

2003年6月8日
常盤湯

江東区常盤2-3-8

清澄白河駅を降りて清澄通りを北上し、高橋を渡って左折、しばらく行くと見えて来る立派な破風造の建物。本日訪れる銭湯「常盤湯」である。

早速入ろうとして正面から見ると、営業時間だというのに木の扉が閉められたままになっている。その代わりに、左側に暖簾がかかった入口が。どうやら入口をちょっと改造したようで、暖簾を潜って中に入ると緩やかなスロープになっている。お年寄りにやさしい造りにしたのだろうか。立派な建物の正面扉が使われていないのは残念だが、この改造のおかげで、普通なら傘置きで見えないことが多い番台後ろの宝船の絵を見ることができるようになっている。

中に入ると番台からは元気ないらっしゃいませの声。ご主人はもう高齢のようだが、声を聞く限りまだまだ元気そうだ。入浴料金を払い、小さい石鹸を買う。

ここの脱衣場の横には広い庭があり、非常に気持ちよさそうだ。楽しみは風呂上がりに取っておくことにして、まずは服を脱いで浴室へ。入口は片側のみ開くようになっている。浴室全体が白い感じで清潔感がただよっていて、非常にシンプル。湯舟も座風呂と泡風呂のよくある組合せだ。背景画は定番の富士山、山梨側からの風景。こちらを見ながらのんびり湯に浸かるのもいいのだが、実はこの銭湯、浴室からも立派な庭が見える。紫陽花などが咲いているのを見ながら浸かるのが正解だと思う。

風呂上がりには縁側に出て庭を眺めることができる。これこそ自宅の風呂ではなかなかできない、銭湯ならではの理想的な形である。本当に素晴らしい庭で、紫陽花の他にもいろいろな花が咲いており、石灯籠に池、そして池の中には鯉が泳ぐという完璧さ。この銭湯に来るなら是非暖かい季節の晴れた日の午後、日が沈む前に訪れてこの庭を堪能すべきであろう。庭にもロッカーが置いてあるというのも気が利いていていい。

服を着て一休み。すると、番台に座っていたご主人が奥さんと交代した。ご主人は杖をついて奥の方へ進んで行く。これからも元気にこの銭湯を守っていって欲しい。



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