やすの銭湯日記

2003年6月9日
玉菊湯

港区白金3-2-3

今日は仕事を早く切り上げて、帰り道の途中にある白金の玉菊湯に寄ってみることにした。港区の未訪問銭湯もあと残りわずか。ここは一つ気合いを入れて行くことにしよう。

白金高輪駅から地図を見ながら歩いて行き、住所のところに近付いて行くと、通りからちょっと入ったところにあるビルの入口に大きな暖簾がかかっているのが見える。通り沿いには「ゆ」と書かれた丸い看板のようなものがあり、灯りがつくようになっている。裏側にはうさぎが餅つきする絵が書かれていて、丸く光るところがちょうど月のように見える仕組みになっている。まだ明るい時刻だったのが残念だが、日が暮れたあたりで見ると風情があるに違いない。

暖簾をくぐって中に入り、フロントでお金を払おうとすると券売機で券を買うように促される。見ると右手に自動券売機がある。そこで「大人一枚」を買って中に入る。サウナ料金等があるわけではないのだが、どうして券売機なんだろう。この方が管理が楽なのだろうか。

脱衣場が狭いのは東京のビル銭湯には避けられない宿命である。清潔な感じなので不満はない。どちらかと言えば重要なのはやはり浴室だ。この銭湯の浴室は非常に無機質な感じで、背景画などは一切無く、濃いめの色のタイルにカランとシャワーが整然と並んでいる。こちらも脱衣場同様、かなりこぢんまりしている。

カランは東京の銭湯で通常見られるものとは違い、温度が調節できるタイプのもの。カランを押すと一定の時間だけカランあるいはシャワーからお湯が出るのだが、自由に止めることができないのがちょっと不満である。さらにシャワーの温度も安定しないのが気になるところだ。しかし、このような不満も忘れさせてしまうものがこの銭湯にはある。

それは湯舟の湯である。港区の銭湯によく見られる「黒湯」だ。真っ黒な湯は温度もいい感じで肌触りもよく、本当に気持ちいい。照明に照らされて金色に光る湯は本当に癒される気分である。この湯は本当に東京の名物と言えるだろう。次々廃業して行く港区の銭湯、黒湯の銭湯をなくさないためにも、ここにはぜひ頑張ってもらいたいところだ。

風呂上がりには商店街を通って駅に戻る。白金辺りにも庶民的な商店街はまだ残っているのだな。



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