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1997年7月2日
品川区荏原2-18-2
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中原街道と旧中原街道の間に建つ戸越湯。入口は自動車の交通量が多い中原街道に面している。この場所にはちょっと似合わないくらいの立派な破風造りだ。
下駄箱の木札を持って中へ入り、番台に入浴券を渡す。中のつくりもおそらく昔からそれほど変わっていないのだろう。ただ、脱衣場はかごではなくロッカーが占領していた。Tシャツと短パンで来たので服を脱ぐのも簡単だ。ロッカーに放りこんで浴室へ。
浴室に入ってまず最初に目についたのは天井の色だ。青、緑、オレンジの三色に塗りわけられている。まるでサーカスのテントのように派手な色使いだが、半端に派手で銭湯の浴室という風景に全く融けこんでいない。どういう意図でこういう配色にしたのか非常に気になるところだ。個人的にはこの浮いた感じが気に入った。ついでに背景画がよくわからない街の風景なのもいい。
カランから出る湯の温度がずいぶん低い。ちょっとしたことだが、やはり気になってしまう。シャワーの温度はちょうどいいのになあ。
湯舟は二つに分かれていて、両方泡風呂だ。小さいほうの湯舟の温度が若干低いような気がする。泡の出方が控え目でなんとなくのんびりした気分になる。広いほうの湯舟の半分は泡が出ていないので、静かな気分も味わえる。
この銭湯はなんとなく懐かしいような、ちょっともの悲しいような、独特の雰囲気がある。夕方のすいている時間帯に行ったせいだろうか。もう少し遅い時間の客が多いときに来るとまた違ったイメージを持ったかもしれないなあ。
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