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1998年1月27日
大田区北馬込2-18-8
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二十一時も過ぎて、人影もまばらになりひっそりとした商店街の中に、これまたひっそりと建っている銭湯が天祐泉だ。入口を見るとなんだかとっても小さい銭湯のような感じがする。すれ違うのも難しいような幅の狭い木の戸を開けて中へ入る。
中を見てみると、入口でうけた印象とは異なり意外と広いことがわかる。脱衣場は壁ぎわにロッカーがあり、部屋の中央はベンチが置いてあるだけでスペースが大きくとってあり、ゆったりした印象がある。番台の上で網物をしているおばあさんにお金を払い、早速風呂に浸かろう。
服を脱いで浴室へ。中央にシャワーなしのカランが並ぶここの浴室は非常にシンプルなつくりになっている。正面には深い湯舟と浅い湯舟が一つずつ並び、背景画は湖のタイル絵。男女の仕切り壁の上には鉢植えを置くための台がいくつか並んでいるのだが、実際に植物が入っているのは一つだけだった。
「天祐泉」とマジックで書かれた腰かけに座り、体を洗う。桶を置く場所がないのだが、客が少ないので横に置いておいても他人の邪魔にはならない。一通り洗ったら湯舟へ。のんびりするのにいい雰囲気だ。
温まって脱衣場に戻る。落ち着いて見てみると、ぶら下がり健康機、体重計に身長計、マッサージ機など結構いろいろなものが置いてあることに気づく。年代物のエアコンなどを見ていると不思議な時代にタイムスリップしたかのような気がする。服を着た後、しばらくぼーっと座っていた。
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