やすの銭湯日記

1998年1月26日
亀の湯

品川区中延5-13-17

天気がいい冬の夜は気温もかなり下がる。こういうときには風呂で温まるのが最高に気持ちいいのだが、銭湯めぐりの場合には湯冷めに注意する必要がある。さて、今日は家からもなんとか歩いて行ける品川区の亀の湯に行ってみることにした。

商店街の中にある何とも言えないしぶい雰囲気の銭湯だ。大きく「ゆ」と書かれたのれんがまたいい。中に入ると番台も昔ながらのもの。まさに期待を裏切らないという感じだ。仕切りの壁の向こうでおばさんが「風呂が嫌いな人なんて信じられない」と、大声で世間話をしている。ははは。

浴室は湯舟が中央にあるというちょっと変わったタイプ。壁には堂々とした富士山のペンキ絵が描かれているが、湯舟との位置関係を考えるとこれは背景画とは言えない。その代わりに、ペンキ絵に向かったカランがあるので、富士山を見ながら体を洗うことができる。

この銭湯でうれしくなったのは桶が木製だったこと。こんな近くに木桶の銭湯があるとは思ってもみなかった。プラスチック製よりちょっと重いがやはり風情がある。

緑の蛍光色をした湯舟の湯はちょっと熱めだ。体が冷えているとちょっとぴりぴりして入りづらいが、湯冷めしないためにもゆっくり温まりたいところだ。数回入ったり出たりを繰り返してから脱衣場へ。

あまり期待していなかったところに突然私好みの銭湯が出てきたので、満足感は非常に大きかった。またこういう銭湯に出会いたい。



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