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2000年1月8日
豊島区池袋2-21-1
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忙しいときに限っていろいろなことをしたくなる。銭湯巡りもその一つなのだが、風呂に入るのは日常生活の一部だと思うと忙しいのについつい行ってしまう。今日は池袋駅近くの「新栄湯」。
もう外観だけで圧倒される感じのある建物だ。なんとも歴史を感じさせる見事な破風造である。入口の前ある石が更に雰囲気を出している。しかし、のれんがかかっていないぞ。本当に営業しているのだろうかと不安になったのだが、中から出て来たお客さんを見て安心して中に入ることができた。
外観から予測できた通り、いや、それ以上に内部もレトロな雰囲気でいっぱいだった。番台も昔ながらの形式。そして正面には大きな亀が飾ってある。
早速服を脱いで浴室へ行ったらお客さん四人は全員一番右の列に一列に並んでいた。それもそのはず、五列あるカランのうちシャワーが付いているのはその列だけなのだ。もちろん私もその列に加わる。腰掛けはなく、みんな桶を伏せたその上に座っている。そして桶は木桶、ここまでくればレトロな雰囲気は完璧だ。
湯舟は二つに分かれているのだが、どちらも泡風呂や超音波風呂などの設備はなく、そのおかげで浴室全体もカコーンという桶の音が響くだけの静けさを保っている。こういう銭湯は今は既に廃業してしまった品川区の荏の花温泉を思い出させる。湯舟のタイルの剥げ具合もこういう雰囲気ではいい演出になっている気がする。
このような銭湯は若い人は好まないのだろうなあ。でもここまでレトロな雰囲気が池袋駅から歩いて行ける所にあるなんて知らなかった。
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