PREV | UP | NEXT | TOP |
2000年6月18日
中野区新井5-17-2
|
梅雨空のもと、西武新宿線新井薬師前駅を降り、南側へ歩き始める。新井薬師の門前町だったのであろう商店街からちょっと入った住宅街にある「新越泉」なのだが、ちょっと見ただけではどう考えても銭湯には見えない外観である。小さな看板はとりあえず出ているものの、のれんの類は見られない。のれんが似合うような建物ではないのである。マンションの入口にしか見えないぞ。私は銭湯マップを事前に見ていたので比較的簡単に発見することができたのだが、知らなければ目の前を通っても銭湯だとは気づかないだろう。
入浴券を自動券売機で買い、フロントに渡す。今日はサウナはやめておこう。脱衣場と浴室は地下にある。階段をどんどん下っていく。脱衣場の入口で靴を脱ぐのだが、靴は下駄箱にと書いてあるにもかかわらず、下駄箱に鍵は付いていない。フロントで受け取らなくちゃいけなかったのかな。しかし、戻るのも面倒だったのでそのまま入ることにした。
サウナではよく見る縦長のロッカーが並ぶ。その中に暗証番号を入力する形式の電子ロックロッカーがあった。珍しいので使ってみようかと思ったのだが、サウナ利用者専用とあったのでやめておいた。すいていたので使っても問題はなかったかもしれないなあ、と後で思った。
浴室に入るとさらに不思議な雰囲気になる。門のような飾りがいくつかあり、正面には湯舟が二つ、互い違いに配置されている。洗い場の方もちょっと変わっていて、風呂道具を置く部分がカランの間につくられている。
髪と体を洗い、さっそく湯舟へ。手前の湯舟は温度が四十度を切っているのではないだろうか、非常にぬるい。のんびりだらだらととけていくような気分で入っているのにはいいのだが、ちょっと物足りないので奥の湯舟へ移動。こちらは四十二度くらいはある。壁や天井、照明の具合がまるで洞窟の中にいるようで、かなり不思議な雰囲気である。なかなか面白い。ペンキ絵ばかりが銭湯のよさではないなと思わせてくれる。
ここは銭湯というよりサウナに近いかもしれない。さらに言えば、地方のホテルの大浴場の雰囲気にそっくりである。東京の銭湯ではかなり珍しい方だろう。
←天徳湯 | 文化湯→ |