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2002年3月23日
世田谷区世田谷2-26-21
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年度末の廃業ラッシュなのだろうか、ここのところ廃業の情報が次々と入ってくる。今日訪問する栄湯も三月末日で閉めてしまう銭湯である。
東急世田谷線にゆられて数分、上町で下車して世田谷通りをしばらく行き、右の方に入って見えてくる煙突。さらに進むと非常に立派な屋根が見えてくる。これぞ東京の銭湯という外観だが、手前の方は改装してあるのがわかる。中に入るとやはりフロント形式になっていた。ここも以前は番台形式だったのだろう。愛想のいい女性がフロントに座っていた。サウナ料金込の八百円を払い、サウナセットを受け取る。中はバスタオル、普通のタオル、石鹸、シャンプー、剃刀だ。
サウナセットと一緒に受け取った鍵は専用ロッカーのものだ。普通のものより若干大きめのロッカーに服を入れる。縦長って使いやすいようでそうでもない。背広でも来ていれば便利なのかもしれないが、丸めて放り込むには普通のロッカーが大きめにできているほうがうれしいかな。
体を流して早速サウナに向かった。中ではお客さん同士が楽しそうに会話している。話題は今日の相撲の取組結果。武蔵丸が優勝を決めたらしい。ちょっと気になったのは壁の木の板がはがれてきており、木屑が散らばっていること。閉店前だから修理することもないのだろうなあ。流れているラジオ放送を聴きながら十分間汗を流した。
サウナの前には「露天風」風呂がある。完全に浴室内なのだが、大きな窓からは庭が見え、壁や湯舟も岩風呂風のタイルになっている。他の湯舟と分かれて別室のようになっているのが面白い。
そしてもう一つ、目を引くものがある。それは湯舟の背景画。ここはタイルモザイク画なのだが、男湯の方は宇宙の絵。大きな木星とその衛星が描かれており、宇宙船も飛んでいる。女湯の方は熱帯魚のようだが、全体は見渡せなかった。
湯舟も電気風呂、泡風呂、座風呂とそろっており、普段から通うには十分である。しかし、ここもあと一週間で廃業してしまうのだ。どんどん消えていく銭湯の文化、せめて雰囲気だけでも伝えていきたいものだ。この日記も少しは貢献しているかな。
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