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2002年3月21日
板橋区赤塚6-12-2
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今日は春分の日、彼岸の中日である。墓参りをした後で銭湯によることにした。事前の下調べがちょっと足りなかったせいで、最初はすでに廃業していた銭湯を目指してしまい、探していた住所のところにマンションが立っているのを見つけて呆然とする。
気を取り直して近所の銭湯の住所を調べ、「岩乃湯」を目指すことにする。ところが、地図を頼りに歩いて、すでに近くまで来ているはずなのに煙突が見えない。ビル銭湯なのかなとも思ったが、高い建物もない。もしかして、また廃業かと思っていたところに現れた平屋の建物がなんと銭湯だった。煙突もなく、東京の銭湯としては異色の外観である。「いらっしゃいませ」ののれんをくぐって中に入る。
サウナ込の入浴料金は六百円。フロントで下足札と引き替えに引っ掛け鍵を受け取る。変わっているのは外観だけで、中は普通の銭湯なのかなと思いながら脱衣場へ入ると‥‥。
この脱衣場、他の銭湯と雰囲気が違う。けっこう混んでいて狭く感じる脱衣場、いつもと違って床がひんやりとしている。こちらも東京ではあまり見ないと思うのだが、タイル張りの床なのである。さらに、ロッカーはスチール製。まるでプールの更衣室のような雰囲気だ。
さて、浴室はどうなのだろう。入っていきなり目の前にあるのはかけ湯だった。腰ぐらいの高さにたまっている湯と手桶がある。これも銭湯にあるのはちょっと珍しいかもしれない。
左手に湯舟があり、島カランは横長に並んでいる。ちょうど普通の銭湯のレイアウトを九十度回転させたような感じである。奥にはサウナがあり、その横に水風呂がある。
サウナの中ではお客さん同士が地元の会話で盛り上がっていた。サウナ計で十二分、私が入っている間、一度も会話がとぎれることはなかった。
カランで体を洗っている間もお客さん同士の会話は絶えない。みんなが知り合いのような感じで、自分のうちの子供じゃなくても「タオルを湯舟に入れるな」と注意している大人がいる。人情味が厚い感じで、よそ者の私でも非常に羨ましく感じた。
本日の湯はゼラニウムとベルガモットの入浴剤。湯に浸かって熱くなったら浴室の戸を開けて外に出られる。露天風呂などがあるわけではないが、のぼせた体を冷やすにはいいスペースだ。
急遽調べてとびこんだ銭湯だったが、非常に面白かった。人気があって混んでいる理由もわかる気がした。
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