やすの銭湯日記

2003年11月16日
お玉湯

千代田区岩本町2-2-14

日曜日の午後を神保町の書店めぐりで過ごした。ついでに千代田区に一件残っている未訪問の銭湯を訪ねることにしよう。東京国際女子マラソンで通行規制がおこなわれている都心部を歩き、神田駅を通りすぎ、神田紺屋町や神田北乗物町などのいかにもこのあたりらしい地名を眺めながら歩いて岩本町へたどりつく。お玉湯はビル銭湯。昔はこのあたりに「お玉ヶ池」という池があったそうで、屋号はそれから取ったのであろう。

すっきりとした感じの外観、そして入り口はフロント型式である。脱衣場にとくに特徴と言えるものはないが、床はつるつるできちんと掃除されている印象である。しかし、どうしても気になるのが天井の低さ。ビル銭湯の宿命ではあるが、やはり銭湯のよさの何割かが失われてしまっている気がする。

そうは言っても天井の低さはビル銭湯では構造上どうしようもないことである。もっと別のところを見てみよう。カランもシャワーともに湯量豊富で、温度もちょうどよく感じる。シャワーが使いやすいと髪を洗ったときの満足感が各段に違い、私にとって入浴の心地よさをはかる指標としては重要なのだ。この銭湯はその点では高得点だな。

湯舟には湯温計がついており、温度は四十二度前後を指している。銭湯によっては温度計がこわれていて見当違いな温度を指していることも多いのだが、入ってみた感触だと確かに四十二度程度かなという感じがする。湯舟に入って落ち着くと浴室全体がよく見えてくるのだが、この浴室の内装は非常にシンプルである。薄黄色のタイルを基調にしていてペンキ絵などの背景画もなく、唯一目立つのは湯舟から見て正面、脱衣場側にある入り口上方の模様の入ったタイルだ。入り口の脇には立ちシャワーとボディシャワーが一つずつある。このあたりの設備は東京では平均的なものであろう。

今日はこの時期にしては異常なほど暖かい気候で、湯冷めの心配もなさそうだ。帰りは日比谷線の小伝馬町まで歩いてみることにしよう。



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