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1997年4月28日
渋谷区代々木1-51-1
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小田急線南新宿の駅に各駅停車の電車が到着すると、ホームから目の前に銭湯の煙突が見える。小さな駅の小さな改札を出て、横の小路を入るとすぐにある銭湯、それが奥の湯だ。私鉄駅の小さな改札と閑散とした夜の住宅街、そして午前中から降り続いた小雨。暗いイメージの中に明るい照明で建っている銭湯は何かほっとさせてくれるものがある。
下駄箱の木札を持って自動ドアの入口を入る。やけに近代的に聞こえるが中は伝統的な番台形式。やはり番台があると「銭湯に来た」という実感がわく。コインランドりー併設の脱衣場で服を脱ぎ、浴室へ。建物自体のちょっと古めな雰囲気とは違って、カランとシャワーのまわりは新しい感じがする。ここだけ新しくつくり直したのだろうか。非常に清潔に掃除されていて快適だ。
お客さんが少ないので非常に広々とした感じで体を洗うことができた。次は湯舟。泡風呂などがついた普通の湯舟なのだが、雨の中で冷えた体には心地よい。背景画がないのがちょっと残念。
もう一つの湯舟には泡が一切たっていない、底まで見える湯だ。大体こういうところは水風呂か熱い湯と決まっている。しかしここはサウナがついているわけではないので、水風呂ではないだろう。期待して手を入れてみると、やはりかなり熱めの湯だった。入れない程の温度ではなく、私にはちょうどいい温度だ。ゆっくりと肩まで浸かる。やはり銭湯はこのくらいの温度の湯がいい。泡などが一切ない湯も気持ちいい。こういう湯舟はあまり見ないのだが、一般的には人気がないのかなあ。
腹も減ってきたのでそろそろ帰ろう。地図を見て、帰りは代々木駅まで歩いてみることにした。新宿の高層ビルの景色を見る暇もなく、折り畳み傘で雨をしのぎながら歩いた。代々木駅は思っていたよりずっと近かった。
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