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2001年9月8日
中野区本町2-15-8
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小雨の中降り立った丸ノ内線新中野駅。ところが、目指していた銭湯はすでに廃業したらしく、いくら探しても見つけられない。このままで引き下がるのも悔しいので、携帯電話を駆使して最寄りの銭湯を検索。未訪問の「大宮湯」を訪ねることに決定した。
青梅街道から住宅街に入り、歩くこと数分。明るい看板が見える。大宮湯はビル銭湯だが、傘入れ、下駄箱はもちろん、中も伝統的な番台形式である。服が雨でちょっとしめっていたのでとっとと脱いでロッカーに放り込もう。
風呂道具一式を持って浴室に入ると、ちょっと普通の風景と違う。正面に湯舟があるのは通常通りなのだが、その後ろがガラスになっている。もちろん外から丸見えということはなく、模様入りで外側の明るさだけわかるのだが、あいにく夜だったので、向こう側が屋外なのかどうかはわからなかった。晴れの日の昼間に来たら日光が射してきたりするのだろうか。もしそうならなかなかおしゃれなのだが。
背景画がない代わりに、横の壁には見事な金閣寺のタイルモザイク画がある。湯舟に浸かりながらこれが見られるのだから、この配置もなかなかいいものだ。
などと考えていたら、思わぬところで強敵に出くわした。髪と体を洗い、さて湯に浸かって金閣寺を眺めようと足を入れたと途端‥‥熱い。温度計は四十八度をさしているが、壊れているわけではなさそうだ。もちろん、全体的には四十五度から四十六度くらいだと思うが、それでも十分熱い。しかも、側面からマッサージの泡が吹き出しているので湯は混ぜられっぱなし。さすがに耐えられず、いったん足を引き上げ、かけ湯を十分にしてから再挑戦。今度は肩まで浸かることができたが、一分経つか経たないかで上がってしまった。
体中ぴりぴりと火照った状態は意外と気持ちいいものだ。脱衣場で涼んでから外に出ると、再び湿気を含んだ重い空気が待っていた。
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