やすの銭湯日記

2001年9月2日
福の湯

新宿区下落合4-25-10

山手線の目白駅を下車。この駅もずいぶんきれいになったなあと考えつつ目白通りを歩く。十数分歩いたあたりで住所を確認すると、この付近に今日訪ねる銭湯があるはずである。かなり細い路地を試しに入ってみると煙突を発見。しかし、実際に銭湯の前にたどり着くまで、行ったり来たりしてしまった。

というわけで入り口は細い路地に面しているこの「福の湯」。手元の情報によると大正時代の雰囲気が売りのようだ。自動ドアの入り口を開けるといきなり石灯籠が出迎えてくれる。確かにちょっと変わっているかもと思いつつ、下駄箱に靴を入れて進むとフロントがある。番台形式を改造したのがすぐにわかるつくりのロビーを見ながら入浴料金四百円とサウナ料金三百円を払うと、タオルと一緒にシャンプーと桶が出てきた。どうやら三百円でいわゆる「手ぶらセット」を貸し出してくれるらしい。しかも、シャンプーは小さいものではなく、普通サイズ。今回は一式持ってきたのでタオル以外は借りなかったが、これはなかなかいいサービスかも。

脱衣場もしゃれた雰囲気。サウナの部分の壁はレンガ造りになっていて、これも面白い感じになっている。浴室の方も男女のしきり壁がレンガ。さらに、この銭湯の浴室は通常の銭湯の浴室をちょうど九十度回転させたようなレイアウトになっているのがユニークだ。入って左手に湯舟が並び、カランは右手に横方向に並んでいる。残念ながら、ペンキ絵はなく、白い壁がちょっと殺風景である。

サウナは四人ほどでいっぱいになるくらいの広さ。時計は十二分計かと思いきや、黒い針は六十分で一周する。見間違えると十分入るつもりで五十分入ってしまうから要注意。まあ、間違える人はいないだろうけど。

湯舟は全体の四分の一ほどが深風呂になっているのだが、湯温は浅い方とまったく変わらないようだ。とりあえず両方に入っておく。

全体的に大正時代風なのはわかるのだが、やはり本当に古い銭湯に比べると安っぽくなってしまっている。そのかわり、清潔感はあり、カランなども使いやすい。レトロマニアでなければそこそこ雰囲気を楽しめる銭湯だ。



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