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2000年12月7日
小金井市貫井北町3-4-4
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武蔵小金井の駅から東京学芸大学の方へ向かって約十五分ほど歩く。すっかり暗くなり、自動車のライトが連なる中に黒く煙突の影が見える。「ぬくい湯」は田舎町の銭湯のようにひっそりと建っていた。
のれんをくぐると下駄箱が手前と奥にこちら向きで並んでいて右手に戸がある。男湯は手前側。ちょうど通常の銭湯の向きを直角に変えた方を向いているのだ。
番台の女性は女湯の側にいる人と世間話をしている。男湯の客は私一人。本当に静かな雰囲気で、まるで開店前か閉店後の銭湯に特別に入れてもらっているかのようである。寂しい感じもするが、一人で占有できる贅沢を味わえると思えば悪くない。
タイルのモザイク画が湯舟の背景と男女の仕切り部分にある。山と湖と風車の絵だ。中央の島カランにはシャワーはなく、両脇にはある。シャワー付きの方に座って、髪と体を洗い、いざ湯舟へ。
ここで、うら寂しい郊外のありふれた銭湯というイメージが崩れることとなる。ちょっと離れたところから見ていたときは湯舟のふちに板が張られているなあ、という程度にしか思っていなかったのが、近寄ってみると実は湯舟の内側が総板張りなのである。つまり「木の湯舟」なのだ。これは本当に珍しい。都内で唯一というわけではないが、そう簡単にお目にかかれるものではないことは確かだ。突然現れたすばらしい湯舟に驚きながらもありがたく浸かることにする。湯温がかなりぬるめなのが残念だが、おかげでゆっくりと浸かることができた。
非常に感動をした銭湯だったが、私の入浴中に来た他のお客さんはたったの二人。たまたま少なかっただけならいいのだが、ちょっと不安である。これからもずっと営業を続けて欲しいなあ。
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