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1997年5月15日
大田区矢口2-5-12
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東急目蒲線武蔵新田駅の改札を出て、多摩川の方向に道なりにまっすぐと歩いて行くと、道を間違えたかと思う頃に新田浴場が見えてくる。外観ならして楽しそうなイメージを全面に押し出していて、何か期待させるものがある。
フロントの料金表を見ると、サウナが三百円とある。最初は入るべきかどうか迷っていたのだが、せっかくだから入ることにした。計六百七十円。ちなみに貸しタオルとミニシャンプーなどのついた手ぶらセットは八百円だった。
浴室に入ると、そこは期待通りの展開だった。ギリシア風の装飾になっていて照明などがおしゃれについている。浴室内に柱が立っていて天井付近にはまるいリング上の飾り。塀の向うの女湯にはあずまやのようなものが見える。かなり凝っているようだ。湯舟もたくさんあり、浴室の中央と右端に計五つも用意されている。しかし、湯に浸かる前にまずはサウナなのだ。
サウナに入ってみてまず驚いたのはテレビがついていたことだ。初めてのことではないのだが、期待していなかっただけにうれしかった。しかし、時刻はちょうど九時五十分頃のコマーシャルタイム。サウナは比較的高めの温度設定だったので、六分程度しかもたず、結局番組が始まる前に出てきてしまった。しかし、ここのサウナは、温度といい、設備といい、私の好みにぴったりだ。
湯舟が幅をきかせているためカランの数は比較的少な目なのだが、うまく場所を確保してさっさと体と髪を洗う。シャンプーと石鹸をロッカーに戻して、さて、ゆっくりと湯舟に浸かろう。
大田区のあたりではポピュラーな黒湯がある。ここは今まで入ったほかの銭湯での黒湯よりも温度は低めに設定されている。それでも他の湯舟よりは熱いのだが、他の銭湯の足をいれるのさえつらいという状態からは程遠く、ちょっと熱めで気持ちいい程度だ。その横には宝寿湯もある。また、打たせ湯のようになっているところもあり、バラエティには富んでいるのだが、一つ一つの浴槽が小さいため、混んでいると思うように入れない状態になる。もっとも、空きすぎていると淋しい感じがする私に混んでいると文句を言う資格はないのだが‥‥。
ここの銭湯は他の銭湯よりもずいぶん活気があるような気がする。のんびりというのとはちょっと違うけれども十分楽しむことができた。
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