やすの銭湯日記

1997年5月13日
富士の湯

目黒区目黒本町5-21-2

目黒本町にある富士の湯。本来は東急目蒲線の武蔵小山駅から歩いて五分程度なのだが、今日は電車を使わずに家から歩いて行くことにした。小雨が降ってきたので早速中へ入ろう。

フロントでサウナに入る旨を告げ、マジックテープの腕輪をもらって脱衣場に入る。フロントにもソファが置いてあって居心地がよさそうなのだが、ここは脱衣場にも涼しそうな藤の椅子が置いてある。風呂には入る前にのんびり休憩するのは変だが、何だかそうしたくなるような気にさせる椅子だ。

サウナは横に細長い部屋になっている。ここのサウナは今までに入ったもの中では一番温度が低いのではないかと思われる。温度計は八十二度をさしていて、入った瞬間にもう「これは長く入っていても大丈夫そうだ」と感じた。実際、普段なら七、八分程度で出てしまうのにここでは十二分計が一周するまで頑張ることができたのだ。室内に流れている野球中継のラジオが気をまぎらしてくれたことも影響しているかもしれないが。

ちょっと小さい感じの風呂桶を使って体と髪を洗い、湯舟へ。三つに分かれた湯舟には緑色の入浴剤が入っている。菖蒲の湯だそうだ。ここの浴室で注目すべきはやはりタイルに書かれている絵だ。富士の湯というだけあって山中湖から見た立派な富士山が描かれているのだが、隅の方になぜか茄子の絵が書いてある。不思議に思って再び絵をよく見てみたら左側の方の木の枝に鷹がとまっていた。ああ、そういうことか‥‥。ちなみに壁の向こう側に上のほうだけ見える女湯の絵は桃太郎らしかった。全貌を見る機会はなさそうだが。

風呂上がりにはやはり藤の椅子でのんびり。帰りには武蔵小山商店街を通ってみることにしよう。



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