やすの銭湯日記

2001年12月22日
西田浴泉

杉並区荻窪1-40-8

荻窪駅を降りて南口を出る。荻窪団地行のバスに乗り、終点手前の「西田端橋」バス停を降りて、バスが来た道をちょっと戻ると見えてくるのが「西田浴泉」だ。今日は冬至、東京の銭湯ではゆず湯に入ることができる。今日は外が寒い分だけお湯のありがたみは倍増するはず。さて、入ろう。

フロントでお金を払うと「くじを引いてください」と言われる。冬至のイベントの一環である。気合いを入れて引いたのだが、残念ながらはずれ。ヤクルトを一本頂いた。

脱衣場に行くと、何だか静かな雰囲気。音楽などはいっさい流れておらず、しんとしていて落ち着いている気がする。冬の銭湯の独特な感じが伝わってくる。浴室も同じような雰囲気で、全体的に白を基調としたタイル、カランまわりはオレンジ色になっており、湯舟後ろはペンキ絵ではなくタイルの幾何学模様である。鳥のようなものが描かれているように見える。せっかくだから富士山のペンキ絵が欲しいところなのだが、まあこれはこれでいいかな。

この銭湯は完全軟水使用。つまり、カランから出る湯もシャワーの湯も、もちろん湯舟の湯まで全部軟水が用いられている。壁に書かれた説明によれば、石鹸カスが出ないので体に汚れが残ることなくきれいに洗い流すことができるということらしい。理由はともかく、石鹸の泡立ちは普通の水とは全然違うし、シャワーで泡を流しても何だかいつまでもぬるぬるしている気がする。明らかに普通の水と違うこの感触がまた面白い。

ちょっと大きめの湯舟は二つに分かれていて、片方は泡風呂、もう一方は高温風呂だ。熱い方は普通深めに作ってあることが多いのだが、ここは泡風呂の側と同じ深さ。あまり熱くないなと思ったら、中の方では大きな穴でつながっていた。

それにしても、やはりゆず湯は気持ちいい。浴室に入った瞬間に柑橘系のさわやかな香りがするし、湯に浸かった時にもふっと香りが鼻に入ってくる。よく温まるかどうかは正直言って実感があまりないが、天然の入浴剤は粉末のものよりも精神的にいい気分にさせる効果が大きいようだ。



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