やすの銭湯日記

2001年12月23日
金剛湯

中野区中野1-1-3

今日は三連休の二日目。友人から近々廃業予定だという連絡を受けて、早速訪れたのが金剛湯である。最寄り駅は中野坂上あたりだろうか。今回は東中野駅から行ってみることにした。山手通りを南に歩き、大久保通りを右折してしばらく行くと角にひっそりと建つ銭湯がある。こちら側から行くと看板が見えづらいため、つい通り過ぎてしまった。あわてて戻る。

この銭湯は、東京の銭湯としては珍しく入口の戸を開けるといきなり脱衣場になっている。番台でお金を払い、靴を脱いで下駄箱に入れ、土間から脱衣場に上がる。この形式は東京ではあまり見かけないが、私が幼少時代に通っていた北海道の銭湯と同じ形式である。

浴室は、一見それほど特徴的なものはないのだが、よく見てみるとちょっと変わっていることがわかる。それは背景画である。タイルのモザイク画で鵜飼いの風景が描かれているのだが、壁の広さからするとずいぶん下の方にあり、上の方はなにやら放送終了後のテレビの砂嵐のような感じにタイルが貼られている。そして、右の女湯の方に目をやると‥‥男女の仕切りの向こう側には見事なペンキ絵があるではないか。男湯と女湯とでこんなに違うのもちょっと珍しい気がする。ペンキ絵の方はどこかの山の絵だったようだが、壁越しにしか見えないこともあり、詳細は不明である。

シャワーが古くて湯が飛び散ってしまうのが残念だが、湯の量には問題がなく、髪の毛もちゃんと洗えて満足。カランの方も問題なしだ。こういうちょっとひなびた感じの銭湯で冬の夕方のだんだん暗くなっていくのを眺めながら湯に浸かるというのも風情があっていいものだ。

脱衣場に戻り、体重をはかろうとしてびっくり。体重計の文字盤にガラスがはめられていなくて、針がむき出しである。こういうのも「風情がある」と思える人が銭湯めぐりに向いている人なのかなと思ったりもする。



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