やすの銭湯日記

2001年12月2日
井草湯

杉並区下井草5-3-15

環八通りと早稲田通りが交わるところに、コンクリートの四角い煙突がそびえ立つのが見える。堂々と立つ煙突には「井草湯」の文字。今日はこの銭湯を訪れることにした。

それほど新しくはないビル銭湯だが、昭和の雰囲気というか、何となく懐かしい感じがするたたずまいで、寒い十二月の午後の乾いた気候にはぴったりの感じがする。のれんをくぐって引き戸を開けると、下駄箱が並ぶところにいきなり現れるフロント。このタイプのレイアウトはちょっと珍しいかもしれない。

入浴料金を払うってから下駄箱に靴を入れる。そのまま中に入ろうとしたら、ご主人から声をかけられ、ロッカーの鍵はフロントで渡されることと、貴重品は脱衣場のロッカーではなく下駄箱横の貴重品用ロッカーを使うようにと教えてもらった。鍵を受け取って、今度こそ脱衣場へ入る。

中は非常に清潔な印象で、ビル銭湯ながら伝統的な脱衣場を思わせる。ワイドテレビがおいてあってその上にはニュースが流れる電光掲示板がついているあたりが今風だ。

浴室はごく普通なのだが、やはりきちんと掃除されていて好印象である。カランの湯温が熱めなのも非常にうれしい。湯がたっぷり出るシャワーで髪を洗い、体もごしごしと洗ってさっぱりしたら湯舟で温まろう。

背景画は石川県の見附島。平成十二年に描かれたものだ。この絵は富士山ほどではないにしても結構よく見る絵柄である。依然友人と一緒に訪れた場所でなんだか懐かしくなる。湯舟の湯もきっちり熱くてなかなか心地よい。深い方と浅い方の二つに分かれていて泡風呂がついているだけのシンプルな湯舟だが、その方がこの銭湯にはあっていると思う。

全体的に見て居心地のいい銭湯である。来たときは荻窪駅から歩いたのだが、帰りは湯冷めしたくないのでバスを使うことにした。もうちょっと交通の便がよければうれしいなあ。



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