やすの銭湯日記

2001年9月29日
明神湯

大田区南雪谷5-14-7

今日は銭湯好きの仲間たちが集まる銭湯宴会の日。東急池上線雪が谷大塚駅に風呂道具を持った銭湯好きの強者たちが集合している。総勢十名ほどで明神湯へ。

見事な破風造の美しい外観を持つこの銭湯。男湯は右手で、中に入ると番台の女性が笑顔で向かえてくれる。室内も外観に負けない伝統的な美しさで、とくに庭がいい。石灯籠も置いてある。

浴室には二つの島カランがあり、そこにはシャワーがついていない。壁際のシャワーつきカランで髪を洗う。同行の仲間たちを見ていると入浴のスタイルは皆さまざまで、まずは軽く流してから湯舟で温まる人もいれば,私のように先に髪や体を洗う人など、いろいろで面白い。

湯舟の後ろには湖のペンキ絵が描かれている。女湯の方には富士山の山頂がちょっとだけ見える。男湯の方には富士山がないのかと思いきや、男女の仕切の壁にはタイルのモザイク画で富士山が描かれている。湯舟は三つに分かれていて、左側のものだけちょっと深めになっている。今日はそこがラベンダー湯になっていたのだが、香りはそれほど感じなかった。一番右の湯舟は細かい泡が出ており、湯の表面をまるでビールのように細かい泡が覆っている。

湯に浸かってのんびりしながら、ふと脱衣場の方を見てみると、テレビの映像が見える。伝統的な形式の銭湯だと、脱衣場の男女の仕切の上にテレビがついていることが多いのだが、ここのは番台の並びに浴室に向けてテレビが設置されている。そのおかげで、湯舟に入りながらテレビを見ることができるのだ。もちろん距離はかなりあるし、音も聞こえないのだが、野球中継や相撲を見るのには十分だろう。

風呂から上がって庭で仲間と雑談しながら涼む。爽快な涼しさが湯上がりに気持ちいい季節だ。脱衣場に戻って高いところに掲げられている「入浴心得」を見ると、昭和二十七年の文字があった。



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