やすの銭湯日記

2001年9月29日
万福湯

品川区大崎4-2-3

本来、銭湯は一日一回入れば十分なもの。せいぜい朝湯と夕方とで二回が限界で、銭湯めぐりだからといって一日何軒もはしごするのは邪道だと考えていた。しかし‥‥。

銭湯めぐり仲間が一同に会する宴会の後、せっかくだからもう一軒入りに行こうかということになった。いろいろと考えたのだが、結局私もついていくことにする。邪道だと思っていた二軒目だが、広さが見ものという噂の万福湯には以前から行ってみたいと思っていたので、今回はこだわらずに行くことにした。

東急池上線大崎広小路駅を降りてすぐのところに光る赤いネオンサイン。「万福湯」と書いてあるが、東京の銭湯としてはかなり異色である。暖簾は「萬福湯」と書いてあるが、看板は「万福湯」。どちらが正式名称なのかな。

中に入ると、噂に聞いていた通りの広さ。奥行き方向よりも横幅がものすごく広い。ここはビル銭湯なのだが、ビル銭湯によくある狭苦しさとはまったく無縁である。もちろん、広いのは脱衣場だけではない。早速浴室も見てみよう。

浴室もやはり奥行き方向は普通で、幅が広い。島カランが三つもあり、それぞれ片面に五つのカランが並ぶ。両壁際にある七つずつのカランとあわせて全部で四十二個。カラン数でも都内トップクラスではないだろうか。

湯舟の背景画は海のタイル絵。しかしそれ以上に気になるのはその上にある写真の壁紙。これは浴室だけではなく脱衣場にもある。脱衣場の番台側は山と湖、浴室側は白樺、浴室の脱衣場側は竹林、そして湯舟の上、タイル絵の上方には椰子の木の生えた海岸の風景となっている。どこかの銭湯で見た覚えもあるのだが、なぜこの写真が銭湯で使われているのかちょっと謎である。

二つに分かれた湯舟は片方がちょっと熱め。でも我慢しなくても入れる程度の熱さで、熱いのが好きな人には物足りないかも。ぬるい湯の銭湯が増えてきたことを考えるとこれでも熱い方かな。

それにしても、この広さはかなり印象深かった。



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