やすの銭湯日記

1998年7月20日
高円寺浴場

杉並区高円寺南2-50-10

高円寺の駅で電車をおりて改札を抜けると、なんというか、独特の雰囲気が町中にあふれている。学生街の雰囲気というか、なんとも住み心地のよさそうな感じの、そして住んでいる人には失礼かもしれないが、貧乏でも楽しくやっていけそうな感じがする。そういう町に銭湯は実に似合う。ビル銭湯で最新の設備がついている銭湯よりは、昔ながらの破風造の建物で、番台ではおばちゃんが小さなテレビで相撲なんか見ているといい。お客さんは、銭湯に通ってウン十年というおやじさんと茶髪の若い兄ちゃんが、実に自然な感じで一緒に肩を並べていて欲しい。

高円寺の南側、アーケードの商店街を抜けた所にある高円寺浴場はまさにそういう感じのする銭湯だ。入口が商店街に向いているのがいい。横のコインランドりーには若い人が洗濯が終わるのを待ちながら何やら話し込んでいる。

脱衣場はまさに昔ながらの銭湯。私が小さい頃に通っていた時期にぴったりあっているような感じだ。脱衣かごがロッカーになっているのは仕方がないとして、あとは庭がついていれば完璧というところだろうか。

いい雰囲気の銭湯なのに、こうやって文章にしてみると意外に書くことがない。浴室の設備はごく普通のものなのだ。シャワーの数が少ないのか気になるが、あとはとくに可もなく不可もなく。湖のペンキ絵には富士山が欲しいところかな。

このなんとも言えないいい雰囲気をうまく伝えられないのが悔しい。平日の夕方日が沈む前に試してみて欲しい銭湯だ。



yasunori@kimuralab.org