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2002年4月2日
杉並区下高井戸4-17-17
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もう五月半ばではないかと思わせるような暖かい陽気の中、銭湯めぐりに向かう。京王井の頭線から明大前で乗り換え、京王線桜上水駅を降りて、甲州街道を渡る。しばらく行くと小学校が見えてきた。子供の集まる駄菓子屋風の商店の前を抜けると煙突が見えてくる。本日訪れる銭湯は「こがね湯」である。
銭湯の前に立つと入り口の「ゆ」という文字をあしらった銀色の看板が非常に目を引く。思わずまじまじと見てしまった。ちゃんと「こがね」と屋号も入っているのだな。さて、中に入ろう。
フロントで四百円を払い、ちょっと大きめのテーブルが置かれたロビーの横を通って脱衣場へ。早い時間で閑散としているせいもあるのだが、ここの脱衣場は置いてある物が少なく感じる。いや、実際少なくて、隅に置かれたベンチとテーブル、中央にある藤の花の盆栽が飾られた台以外目立つ物はなく、休憩用の丸椅子などが一切置かれていないのである。ちょっと変わっているなと思ってよく見たら、だんだん理由がわかってきた。男女の仕切り壁が可動式のパーテションになっている。さらに、入り口側の壁にもキャスターがついている。おそらく、すべて取り払うとぶち抜きの広いスペースとして使うことができる仕組みになっているのだ。だからよけいな物も置かないようにしているのだろうと予想した。確かにこれだけの面積で天井も高ければさまざまなことに利用できるだろうな。
浴室と脱衣場の仕切りもガラス面が大きくとられていて明るい感じである。圧巻なのは男女のちょうど間に描かれた大きな富士山のペンキ絵。両側をつなげて一つの富士になっているのも堂々としていて美しいものだ。ところが、残念なことに、中央側の湯舟はガラス壁で狭く仕切られているため、浴室に入るとペンキ絵が見づらくなってしまう。せっかくだから湯に浸かりながら富士を拝みたいなあ。
浴室にある巨大な金属の筒も気になる。よく見てみると、これはボディシャワーになっているようだ。試してみる勇気はなかったが、結構気持ちいいのかも、なんて考えながら体と髪を洗う。
湯舟はガラスで仕切られた部分とそうでない部分の両方を試してみたのだが、結局違いはわからなかった。これが中央でなく外側についていれば富士山もちゃんと見えたのだが、と思うとちょっと残念である。
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