やすの銭湯日記

2002年4月14日
小宝湯

杉並区堀ノ内3-28-6

訪れた銭湯のリストを改めて見てみたら、家から歩いていける範囲にまだ訪れていない銭湯が残っているのを発見した。今日はそこまで出かけてみることにしよう。

五日市街道を渡ってさらに南下すると住宅街の中に煙突が見える。本日訪問の銭湯は「小宝湯」だ。入り口の唐破風は迫力があっていい感じである。

伝統的な形式の銭湯だと思って脱衣場の戸を開けると、いきなり番台がこちらを向いているので驚く。女性の意見を採り入れての改造だろう。フロント形式にして脱衣場が狭くなるよりはこの形式の方がいいような気もするが、座っている銭湯のご主人にとっては狭苦しくて居心地が悪いように見える。

脱衣場は床がぴかぴかで非常に気持ちいい。庭もきちんと手入れされていて、美しい景色である。庭は草木だけではなく、女性や鹿の像などもあるのが面白い。よく見るとカエルの像もいくつかあるぞ。

芸術的なのは庭だけではない。脱衣場にはいくつもの絵画が飾られている。おそらくご主人の趣味なのだろうな。脱衣場の新しい利用法としてこういう風にギャラリーにしてしまうのもいいかもしれない。

浴室も清潔感があって心地よい。島カランが二つあり、その一つのカラン前に腰掛ける。カランの湯はちょっと熱めのようだ。ごく普通のカランがずらっと並んでいるのだが、よく見てみると浴室外側の列の一番奥だけ鏡が斜めについている。単にスペースの問題なのだが、ちょっと面白かった。

湯舟の背景画は富士山。女湯側は見附島である。そして、二つに分かれた湯舟は茶色い湯で満たされている。これは東京でよく見られる「黒湯」なんだろうか。銭湯マップにも風呂場の中にも黒湯使用であるとは書いていないのだが‥‥。

ゆっくり温まり、すっかり満足して外に出たら、下駄箱の横に本日の湯は「お茶ぶろ」と書かれていた。なるほど。



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