やすの銭湯日記

2002年4月8日
千代の湯

中野区中央3-16-12

天気もよくて暖かい午後、以前から気になっていた中野区の銭湯に向かう。前を通ったことはあったのだが、なかなか入浴するチャンスがなかったのである。

中野駅から歩いて十分ほど、千代の湯にたどり着く。正面から見るときれいな破風造の建物である。平日午後ののんびりとした感じがさらにいい。湯に浸かりながらまったりと過ごすには最高のシチュエーションである。

のれんをくぐるとまず目に入ってくるのが、ちょうど番台の背中側にあたる部分にあるタイル画だ。松と富士山の柄になっている。これこそ東京の伝統的なスタイル、これは中も期待できそうだぞ、と考えながら靴を下駄箱にいれて戸を開ける。

「いらっしゃいませ」と番台から声がかかる。おかみさんの愛想がいい挨拶は気持ちがいいものだ。四百円ちょうどを払って中に入る。すぐに耳に飛び込んできたのは「有楽町で逢いましょう」。有線放送だろうか。旧式の肩叩き機が二台もあったりして、とにかくこの曲と昔ながらの懐かしい内装でノスタルジックな気分満点である。脱衣場には庭もあるのだが、残念ながらあまり手入れがされていないようで木の幹と土が見えるのみであった。

浴室にはサウナが設置されているが、この辺りの銭湯にはしばしば見られるパネル式の簡易サウナである。無料なのはいいが、あまり温かくないことが多いのでとくに期待はしない。それよりも感動したのは木桶が使われていることだ。この銭湯の雰囲気にはこの木桶がまさにぴったりである。ケロリン桶もいいのだが、雰囲気を醸し出すのはやはり木の温もりだよなあなどと考えながら髪と体を洗う。シャワーの湯がちょっと飛び散ってしまうのが残念だが、これもまた味だと思えばいいのかもしれない。

さて、一応一通り見ておくかということでパネル式のサウナにも入ってみる。思っていたより温かいぞ。これならちゃんとサウナとしての役割を果たしているではないか。意外だったがちょっとうれしい。人の出入りが激しいとすぐ温度が下がってしまいそうだが、あまり馬鹿にしたものでもないのだなと再認識。

湯舟の背景画は富士山、女湯側は駒ヶ岳。しかし、この絵は誰の作品だろうか。あまり見たことのないタッチのような気がするが‥‥。

風呂上がりにロッカーの鍵を何気なく見てみると「女」と書いてあった。もとは女湯にあったロッカーを移動したのかな。やはり男湯の方が客が多いのだろう。



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