やすの銭湯日記

1998年9月20日
君の湯

文京区大塚6-10-9

秋祭りの季節。ここ文京区大塚でも浴衣を来た女性や褌にはっぴを着た男性で賑わっていた。君の湯の入口にも提灯がぶら下がっている。立派な破風造のこの銭湯は祭りの雰囲気にはぴったりだ。

中も昔ながらの番台があると思って入ってみたら、フロント形式に改装されていた。建物はいじらずに男女の仕切り部分をつくり直してワイドテレビを置いたロビーとフロントになっている。料金三百八十五円を払って脱衣場へ。男湯は右側だ。

脱衣場も浴室も全体的に見て広めである。建物はそのままでロビーがつくられた場合、脱衣場はその分狭くなってかなり窮屈な印象を受ける銭湯が多いのだが、ここは余裕がある。もともと大きい銭湯だったのだろう。建物自体が昔ながらのものなので、天井も高くて気持ちがいい。

浴室は一見ごく普通のものに見えるが、カランの前に腰かけてみるとこの銭湯ならではのものを発見することができる。それは「風呂道具を置く部分の広さ」である。一般的にカランの前には風呂道具を置くスペースがあるのだが、その奥行きが極端に広いのだ。銭湯によっては、桶を置くことは不可能で石鹸やシャンプー程度しか置けない奥行きのところもあるのだが、この銭湯の場合は黄色いケロリン桶のサイズはもちろん、洗面器くらいの大きさのものも安定しておけるほどの奥行きがある。つまらない違いに感じる人もいるかもしれないが、実際に使ってみるとその便利さに気づくことだろう。

勢いがよくてシャンプーの泡の落ちが速いシャワーで頭をすすぎ、体を洗ったら湯舟へ。ここには宝寿湯の湯舟が用意されている。ちょっとぬるめの薬湯で温まってから泡風呂のほうへ。とっても気持ちいい。後ろには富士山の背景画。横には風車のタイル絵が見える。

時間のせいか、それとも祭りのせいだろうか、この銭湯は子供の客が多いような気がした。



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