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2000年8月15日
杉並区阿佐ヶ谷南3-27-4
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雨が降っていて蒸し暑い夕方だが、阿佐ヶ谷のアーケードを歩けばぬれずにすむ。今日は、以前間違えて定休日の日に来てしまった観音湯を訪問だ。
小雨の中、一度来て覚えているはずなのになぜか道に迷いながらもなんとかたどり着く。フロント形式の銭湯で入口はよくある形なのだが、脱衣場に行こうとするといきなりきらきら光る鏡張りの通路を通ることになる。まるで遊園地のよう‥‥というのは大げさだが、銭湯の飾り付けとしてもやはりちょっと大げさな気がする。
ぬれた服をさっさと脱ぎ捨て、浴室に入る。ここははカランの上部に桶を置くスペースがないタイプ。ちょっと使いにくいと思うのだが、しばしば見かける。これが好きな人もいるのかなあと考えつつ髪を洗いはじめる。体も洗い、ふと顔をあげると、ただ並んでいるだけだと思っていたカランの中に一つだけちょっと変わった配置のものがある。窓側中央に、奥まった配置のカランがあるのだ。まるで「主役専用」とでも言いたげな、使うにはなんとなく勇気がいりそうなカランである。上部に付けられた金具を見ると、どうやらここは以前、手持ちシャワーが付いていたようなのだが、一体どういう目的でこのようになっているのだろう。やはり「主役」のためにあるのだろうか。
カランのことをいろいろと考えながら湯に浸かる。やはり東京の湯は熱くて気持ちいい‥‥と思ったら、ぬるいではないか。毎日通っているわけではないのでたまたま今日だけなのか、それともいつもこうなのか、真相は不明だが、熱い湯好きの私にはかなり物足りないものがあった。
せっかくさっぱりしたところで再びぬれた服を着なければならないのは非常に残念だが、着替えは持って来ていない以上仕方がない。銭湯を出る頃には雨がすでにやんでいたのが唯一のすくいであった。
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