やすの銭湯日記

1998年5月7日
要湯

豊島区要町3-22-10

友人宅を訪問するついでに要湯に寄ってみた。営団地下鉄有楽町線で池袋から二駅、千川駅のすぐ近くである。

ここはビル銭湯なのだが、入口の自動ドアの上には破風造りを思わせるような飾り付けがしてあり、昔ながらの銭湯の雰囲気を出そうという努力が見られる。実は入口のみならず、脱衣場や浴室の男女の仕切りの部分にも同じような感じの装飾がなされており、天井の低さが興ざめなビル銭湯の欠点をカバーしている。建物を見る限り、比較的新しいビルのようで、銭湯の内装もモダンな感じと清潔感がある。

カランの使い心地はまずまず。浴室の照明もちょうどいい明るさだ。有料のサウナなどもついているのだが、なんと言ってもここの浴室で一番目立つのが湯舟の後ろの「動く背景画」である。実はここの浴室、通常なら背景のペンキ絵やタイル絵が描かれている部分が水槽になっていて、大きな鯉が泳いでいるのである。なかなか斬新な試みである。銭湯なのだから鯉が泳ぐ水槽の水ももちろんお湯‥‥などということはもちろんない。

ちょっと狭いのを我慢すればなかなか居心地のいい銭湯のように感じた。友人との待ち合わせの時間が近付いてきたせいでのんびりと観察することができなかったのがちょっと残念だ。



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