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1999年11月13日
目黒区大岡山1-13-15
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私が銭湯めぐりを始めたのが一九九六年、それより前に訪れた銭湯は銭湯日記には記録されていない。今日訪れた「亀の湯」はそんな銭湯の一つで、私が大学生だったころに毎日通っていた銭湯である。
建物の外観も全く変わっていない。本当に本当に懐かしい。番台のおばちゃんも変わっていない。もっともあちらは私のことを覚えていたりはしないだろうが。それにしても内装もほとんど変わっていないのではないだろうか。最後に訪れたのは六年前なのだが、そのくらいでは改築でもしない限り大きく変わったりはしないということなのだろう。
毎日通っていた当時はお金もあまりなかったのでサウナに入ろうと思ったことさえなかった。そのせいで、この銭湯にサウナがあることもすっかり忘れていた。今日は初めてこの銭湯のサウナに入る。中はそれほど広くなく、三分の砂時計が一つ置いてあるだけのシンプルな乾式サウナだ。ごく普通のサウナだが、二百円で入れるならリーズナブルか。
湯舟は泡風呂・座風呂の、こちらも平凡な構成で、背景画は風車のタイルモザイク画。そしてカランは私にはもっとも慣れ親しんだ形だ。この銭湯のスタイルは私の「東京の銭湯」の印象そのもので、品川区の三光湯と並んで私の銭湯好きに貢献した銭湯と言えよう。
壁に貼ってあった料金表には「大人三百二十円」と書いてあった。ちょうど私が東京で銭湯に行きだした頃の料金だ。私が来ることを知っていて残しておいてくれたかのようだった。
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