やすの銭湯日記

2002年4月29日
蒲田温泉

大田区蒲田本町2-23-2

ゴールデンウィークだが特に旅行する予定もなく、家でぼーっとしているのもつまらないので出かけてみることにした。十数年ぶりに川崎大師を訪れ、その帰りに蒲田で途中下車して銭湯めぐり。本日訪れるのは「蒲田温泉」である。

ライオンのマークとともに「蒲田温泉」というアーチ上の看板がかかっている。夕方だったからかもしれないが、入口の雰囲気からしてちょっとうす暗い感じで変わった感じ。では中に入ってみることにしよう。

フロントにて入浴料金四百円を払う。さすがは大田区、サウナは無料だ。「最近泥棒が多いようなので貴重品は預けるように」とフロントのおかみさんに言われて、財布などを預けることにした。ロッカーの鍵なんて気休め程度でプロの手にかかれば簡単に開いてしまうらしい。

ちょっと狭苦しい脱衣場で服を脱ぐ。お客さんの数もかなりのもので、非常に賑わっている。ロッカーは鍵をフロントで受け取るので使える場所がなくて困るということはないが、浴室はそうもいかない。混んでいて空いているカランがなかったりすると、しばらく待たなければいけないことも多い。もっとも、最近の銭湯は以前よりすいているので、あまり遭遇しない光景だが、ここは繁盛しているようでカランもほぼ満席だ。

偶然空いたカランの前に座ることができたので湯で体を流す。あ、しまった、サウナに入るのを忘れていた。カランを占領したままにするのは悪いので、風呂道具を島カランのシャワーの上部分に移動してからサウナへ。狭いサウナで人の出入りも激しいのだが、温度は下がっておらず快適だった。

再びカランを確保し、髪と体を洗ったら、いよいよ湯である。「蒲田温泉」と名乗るだけのことはあって、温泉の湯が非常にいい。東京ではスタンダードな黒い湯なのだが、色が本当に濃くて湯舟の中はまったく見えない。入れた手も二、三センチ沈めるともう見えなくなってしまうほどの濃さである。熱めの湯が入った湯舟が別に用意されているのもいい。しかし、温度計は常に四十五度以上の数字が出ているにも関わらず実際にはそれほど熱くないのがちょっと残念。他にも透明な湯の湯舟と電気風呂がある。

ビル銭湯なので仕方ないのだが、上の方には大きな梁が横たわっていて浴室独特の開放感はあまりない。しかし、工夫もあって、普通なら湯舟後ろにあるべき背景画のようなものが脱衣場側の高い位置についているのがいい。湯に浸かりながら見るのにちょうどいい位置である。

混んでいる中、他の人と交互に温泉に浸かり、ほどよいところで上がる。今回は行かなかったが、二階は宴会場になっていてビールなどはもちろん、食べ物も楽しめるそうである。おかみさんによれば釜飯がおすすめとのこと。



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