やすの銭湯日記

1997年8月20日
星の湯

品川区中延6-1-10

星の湯は、外から見ると典型的なビル銭湯。入口だけを見るかぎり天井が低い浴室を想像してしまうのだが、中に入ると意外に天井が高く、かなり広く感じる銭湯だった。

脱衣場の壁に張られている広告にはちょっとレトロな雰囲気を感じさせるものもある。扇風機も羽が四枚ついた大型のもの。更に番台がいい雰囲気を倍増させる。そういえばロッカーも内側が思いっきり「木製」を主張した板ばりだ。柱時計もぶら下がっている。建物自体はそれほど古くないのが妙にアンバランスで面白い。さあ、浴室の方はどうだろう。

浴室も、ビル内にある銭湯とは思えないほど広い。しかし、しかしである。カランのほうには若干問題がある。それは、「ほとんどのカランにシャワーがついていないこと」である。シャワーがついているのは両側の壁に向かった十一ヶ所だけ。しかもそのうち一つは鏡がない。それに対し、中央にある二つの仕切りに並んだ合計三十二のカランには一切シャワーがついていない。シンプルな設備は時としてレトロな雰囲気を醸し出すこともあるが、ここの場合には「不便だなあ」としか思わせてもらえない。私が長髪であるせいもあるのだろうが、たとえ男湯でもやはりシャワーは欲しいところだ。

湯舟は大きい。二つに分かれていて、泡風呂と静水が用意されている。静水の風呂は私の好みなのだが、温度が低めだったので入らなかった。泡風呂のほうは温度もちょうどよくて気持ちよかった。背景画は赤い三角屋根の小屋と山と湖。タイルのモザイク画だ。

全体的にはなかなかいい銭湯だと思う。シャワーをつけて欲しいなあ、と脱衣場に置かれたベンチに座りながら考えた。



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