やすの銭湯日記

1998年6月17日
日の出湯

中野区中央3-2-7

曇空の中、人通りも少ない夕方の商店街を歩いて行くとなんだか三十年程タイムスリップしたかのような錯覚を覚える。今回訪れる日の出湯はまさにそういう錯覚にぴったりの銭湯だ。

入口の両側にはコインランドリーがある。のれんをくぐると意外にも入口は幅広く取られていた。番台でお金を払ってから改めて脱衣場を見てみるとここもずいぶん横方向に広い。面積的にはそれほどでもないのだろうが、なんとなく広々した気分にさせてくれる形だ。天井を見ると昔ながらの建物がそのまま残っていることがわかる。

浴室の片隅に置かれた大きな箱はサウナだ。いかにも後からつけましたという形だが、無料のサウナがあるのはありがたい。まずは髪と体を洗うことにしよう。

カランはいいのだが、シャワーの水量が私の長い髪にはいまいちだ。湯舟の背景画は伊豆から見た富士山の絵。こちらはよくあるものだが、男湯と女湯の仕切り壁に描かれたタイル絵の錦帯橋はすばらしい。

サウナに入ってみたのだが、乾式なのか湿式なのかよくわからないサウナだ。水蒸気が出ているわけではないのだが湿気はものすごい。温度計が摂氏五十度弱をさしているところを見るとやはり湿式なのだろうが、他の銭湯で見たものとはかなり違う。赤外線サウナと書いてあるが‥‥まあ、なかなか気持ちよかったことには変わりない。

湯舟は泡の出方が控え目でいい感じ。しかし、そこのほうのタイルがざらざらしているのはあまりいい気分ではない。

サウナで汗を流したら喉がすっかり乾いてしまった。



yasunori@kimuralab.org