やすの銭湯日記

1997年8月30日
秀の湯

杉並区桃井4-2-9

西荻窪の駅を降りて歩くこと十五分、秀の湯は入口が道から少し入ったところにあるため、看板がなければ銭湯であることに全く気づかないのではないかと思えるほど地味な建物だった。東京の銭湯に多い破風造りの建物に見慣れてしまったせいだろうか。

フロント形式で男湯は右側。脱衣場を見る限りはどこにでもありそうな銭湯なのだが、実は今回ここをわざわざ訪ねたのは「露天風呂」が目的である。最近はそれほど珍しくはないのかもしれないが、銭湯全部の数に比べればまだまだ少ないほうだろう。

浴室は見たところごく普通のよくある形式だ。サウナがついているが、有料だし、今回は露天風呂を楽しまねばというあったのでパスした。どうも乾式サウナのようだ。

いつも通り髪と体を洗い終えたら、いざ露天風呂へ。三人も入ればいっぱいになってしまうくらいの狭さだが、ここは屋外にも三つカランを用意してある。これも経営者のこだわりなんだろうか。私は使わなかったが、体も外で洗えるというのはなかなか気持ちよさそうな気がする。残暑厳しい時期の昼間だったので風が気持ちいいという感じはあまりしなかったが、壁が天然の石でゴツゴツしているせいか雰囲気だけは十分に楽しめた。半身浴でぼーっとしながら入っているのが一番気持ちいい。幸いこの時間帯はお客さんが少なかったのでこういう楽しみ方ができた。混んでいるときにすると顰蹙を買うに違いない。

浴室に戻り、泡風呂で体を温める。露天の方はそれほど温度が高くなかったので、お湯の熱さが心地よい。あらためて浴室を眺めると壁のタイルもきれいだし天井もきちんとペンキが塗ってある。最近改装したのだろうか。

ちょっと狭いことを除けば、十分満足できる露天風呂だった。もう少し寒くなってから来るとさらに気持ちいいかも。



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