やすの銭湯日記

2001年7月20日
初音湯

文京区小石川2-24-10

文京区小石川。中央線の側から見て東京ドームのちょうど裏側にあたる地区である。この界隈は、近代的なビルの立ち並ぶすぐ横にいかにも東京的でレトロな雰囲気の商店街が並ぶというちょっと変わった感じのする地区である。こういうところにある銭湯だから、いろいろな意味で期待できる。海の日の今日訪ねたのは「初音湯」である。

通りからふと横の路地を見ると立派な煙突が見え、煙がもくもくと上がっている。どうやら銭湯の後ろ側のようだ。早速前にまわって堂々とした破風造を眺める。街並みにもよくあっていていい雰囲気だ。

かなり使いこまれた下足札を手に、中に入る。入り口は意外にも自動ドアだ。しかし、脱衣場はごくふつうの雰囲気。番台に入浴料金四百円を払い、ロッカーに服を放り込んだら早速待望の浴室へ。何しろ汗だくなので早く体を洗いたい。

タイルは完璧な清潔さ。天井も真っ白だ。これはおそらく浴室の改装をしたばかりなのだろう。単に掃除が行き届いているだけではなく、タイル自体新しそうだ。しかし、シャワーは以前のままのようで、お湯の出はいまいちだった。ちょっと残念‥‥。

しかし、風呂道具を置く部分も広くて非常に使いやすい作りになっている。カランの満足度は高いと思う。さて、湯に浸かるとしよう。

裸婦の像と白鳥がいる湖を描いたタイルモザイク画を見ながら湯舟に入る。座風呂と泡風呂のほかに薬湯がある。とりあえず泡風呂に入ったのだが、これがけっこう熱い。温度計は四十六度をさしていて、さすがにそこまではないような気もするが、これは銭湯慣れしていない人にはつらいだろうなあ。幸い私は熱い湯が好きなので、気持ちよく肩まで入る。しかし、手足の先はぴりぴりしている。上がったときには体がすっかり赤くなっていた。薬湯に入ろうと思ったが、熱い湯から上がった爽快感を楽しみたかったので、そのまま脱衣場へ。

文字盤がほとんど消えてしまった体重計がこの銭湯の歴史を感じさせる。街並みと同様、新しさと古さの両面を兼ね備えた銭湯だった。



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