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1998年7月12日
中野区中央4-27-7
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中野駅から歩いて五分程、中野通りに堂々と建つ破風造の建物が花の湯である。ここは非常に目立つので以前から気になる銭湯だった。日曜日の夕方、まだ暗くならないうちにこの銭湯を訪ねた。
建物も昔ながらの造りだが、中に入っても期待は裏切られることはない。番台でお金を払い、庭のある脱衣場で服を脱ぐ。天気は曇空だが、やはり明るいうちに銭湯に行くと庭を見て楽しむことができる。今日は昨日までとはうって変わって涼しいので、庭が開け放たれていても暑くて困ることはない。絶好の銭湯日和、というところだろうか。
浴室はとくに珍しいものもなく、普通の感じだが、なぜか一列だけカランにシャワーがついていない。私はもちろんシャワーつきのカランに座る。桶はケロリンの宣伝入りだが、よくある黄色ではなく、白い色だった。ずいぶん小さい頃に見た覚えのある桶だ。
ペンキ絵は西湖から見た富士山なのだが、富士山が描かれているのは男湯の側で、どうも女湯側はただの湖の絵になってしまっているようだ。お気の毒というか、なんだか申し訳ない気分。男湯と女湯の仕切り壁にはタイル絵が三つ描かれている。それぞれ、文覺荒行・楠公櫻井の驛・小野道風と書かれている。なかなかおしゃれな感じの絵だ。
全体的に昔ながらの雰囲気が残っている銭湯だ。テレビでやっていた大相撲もその雰囲気を醸し出すのを助けていたかもしれない。
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