やすの銭湯日記

1997年7月18日
藤の湯

世田谷区玉川台2-1-16

用賀の駅から歩いて数分、瀬田の交差点近くにあるこの銭湯、売りは「木の香りがする」ということにこだわっていることだ。入口は路地を少し入ったところにあり、フロントの形からしてちょっといい雰囲気を醸し出す。お金を払ってから靴を脱いで上がるという形式だ。

蚊取り線香の香りがするフロントから木の戸を開けて脱衣場に入る。ここもなかなかいい雰囲気だ。中央のロッカーは背が低く作ってあって、脱衣場が狭く感じるのを防いでいる。壁にはなぜか鯨と小笠原のポスター。ご主人は小笠原フリークなんだろうか。

浴室での一番の名物は木の湯舟。あすなろの木を使っているそうだ。しかし、私にとってはちょっと残念なこともあった。ここの銭湯では木の桶を使用しているという情報を入手していたのだが、全部ケロリン桶になっていたのだ。腰かけの方はプラスチック製のものと木のものが両方使われていた。私はもちろん木の腰かけを使う。いい座り心地だ。

木の湯舟以外にも普通の湯舟があり、こちらは半分が座風呂になっている。ここの座風呂は座るところの高さがちょっと高すぎて、お湯から肩が出てしまう。ちょっと納得いかないぞ。木の湯舟のほうはなかなかいい感じだ。かなりぬるめの湯なので長くのんびり入るにはもってこいだ。木の香りはそれほど強く感じないが、木の手触りが気持ちいい。

浴室の隅に小さなまな板のような大きさの板がおいてあった。何に使うのだろうなあと不思議に思っていたのだが、ひとりのおじさんが桶をひっくり返した上に板を置き、そこに腰かけていた。なるほど、これなら尻にまるい跡をつけることなく腰かけられるというものだ。桶が木だったらもっと雰囲気が出たんだけどなあ。

そういえば、ここの風呂には男湯のみに有料でサウナがついているのだが、サウナ利用者は浴室が別になっているようだ。今回はサウナはやめたのでそちらのほうは見られなかった。また来る機会があればサウナも入ってみようかな。



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