やすの銭湯日記

2000年10月29日
文化湯

新宿区中落合4-20-11

またしても銭湯仲間から廃業情報を入手した。以前住んでいたところから比較的近い銭湯で、なぜかそこだけ行きそびれていた銭湯だ。近々訪問しようとは思っていたのだが、まさかこういう形で行くことになるとは思っても見なかった。

都営地下鉄大江戸線中井駅で下車し、住宅街に入って行く。今日は雨で気温も低く、夜の住宅街はなんとなくこわい雰囲気がある。けっこう急な坂をずっとのぼって一息ついたところに明るく光る看板。今日訪れる銭湯は中落合の「文化湯」である。

併設のコインランドリーの横を通り、中に入る。フロントでお金を払い、脱衣場へ。雰囲気からして番台形式かと思っていたのだが、そうではなかった。

雨の日はロッカーに脱いだ服もなんとなく湿っぽくて気持ち悪い。さっさと浴室に向かっていい気分に浸ることにしよう。浴室は東京の銭湯では平均的なタイプと言えるだろう。そんな中で目を引くのは、男女の仕切り壁についたカランの間に取っ手がついているところである。きっとお年寄りが立ち上がるときにつかまるようになっているのだろう。シャワーにつかまったりするとちょっと危ない感じがするから、こうなって入ると安心できそうだ。

湯舟は二つにわかれていて、広い方には電気風呂もついている。湯には赤い色の入浴剤が入っていた。背景画は桜の並木とその下を流れる川を描いたタイル絵である。ちょっと高さが中途半端で上の方が白い壁となっているのだが、これはもともとペンキ絵が描かれていたのではないだろうか、と想像しながら温まる。同じような銭湯でも気をつけてみていればいろいろ気づくところもあるものだ。

それにしても廃業というのは残念。もちろんお客さん以上にご主人は残念なのだろう。



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