やすの銭湯日記

1997年6月5日
朝日湯

大田区千鳥1-16-6

地図を見ながら朝日湯を探して歩く。煙突が見えたので「ここだ」と思って見上げると「第二朝日湯」とある。では第一のほうはどこにあるのかと思ったのだが、どうもここが手元の資料にある朝日湯らしい。なかなか風情のある入口で、建物は古いものの十分に手入れされているのがよくわかる。下足札を手に中へ入ろう。

入口の戸は木でできている。入るといきなり番台に若い女の人が無表情で座っている。番台の形、男女の仕切りの間にかかった柱時計、なかなかいい雰囲気だ。しかし、それよりも目をひくのはロッカーの上に飾られたハブとマングースの剥製だ。毛並は確かにいいのだが、ここに飾っている意味はあるのだろうか‥‥。

浴室に入る引き戸も木製で、サッシの戸とは一味違う雰囲気を醸し出す。中はぷんと硫黄の匂い。ここもまた前回の銭湯と同様に草津温泉の湯を使った湯舟がある。他にも風呂桶を置く棚とか、武士らしき人が描かれた日光のタイル絵、まわりよりも一段高いところにある湯舟など、他では見られないちょっと変わったものがいろいろと見られる。何とも変わった感じのする銭湯だ。

ただ一つちょっと残念だったのは、鏡が割れている部分があったことだ。危険だから触るなという旨の張り紙がしてあったが、直す気はないのだろうか。銭湯の数が激減しているという話をよく聞くが、こういう光景を見るとここの銭湯は大丈夫なのだろうかと心配になってしまう。なかなかいい感じの銭湯なのだから、いつまでもやめずに頑張ってほしいものだ。



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