やすの銭湯日記

1997年6月18日
朝日浴場

品川区小山4-14-3

雨が降っているというのに突然銭湯めぐりをしたくなってしまった。とりあえずガイドブックを見て家から一番近くてまだ行っていない銭湯を探す。そしてこの銭湯にたどり着いた。

外観からしていかにも昔から続いているという感じのつくり。木の引き戸を開けると番台があり、おばさんが座っている。うん、いい感じだ。

ロッカーに服を放りこんで浴室へ。雨のせいだろうか、空いていてなんだか一人で浴室を占領してしまったような気分になる。これといって特徴のない浴室だ。いくつも銭湯をめぐっているとこういう銭湯は印象が薄すぎて記憶に残ることが少ない。さすがに浴室内で写真を撮るわけにはいかないので、記憶力だけが勝負なのだが‥‥。

湯舟のほうは二つに分かれていて、片方は座風呂、もう一方は気泡風呂だ。泡の勢いがすごすぎて体が浮いてくる。最近はどこも気泡風呂をやっているが、全く波立っていない湯が恋しくなったりもする。そういう湯舟のあるところって意外と少ないようだ。

ありがちな浴室だったが、ペンキ絵だけは印象に残った。北海道の大沼と駒ヶ岳の絵だ。実はこの沼、私の故郷のすぐ近くで、小学校の遠足などでよく行ったところなのだ。懐かしい。

やはりここの銭湯は浴室より脱衣場のほうが印象に残る気がする。大きな扇風機がブオーと音を立てて回っていて、湯上がりには少し寒いくらいだ。ぴかぴかに磨かれた床が気持ちいい。雨が降っていることを思うと帰るのが億劫になってしまう。



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