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1997年5月29日
大田区鵜の木2-46-1
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暗い住宅街の夜の道を迷いながら歩いていたら忽然と現れた大きな煙突。しかもきれいにライトアップされている。トレードマークと呼ぶにふさわしい立派な演出だ。何だか期待できそうな予感で、第二栗の湯ののれんをくぐった。
フロントで金を払い脱衣場に行くと他の銭湯と同様にロッカーが並んでいるのだが、ロッカーのサイズが二種類あって普通のものの二倍くらいの大きさのものが用意されている。今の時期はともかく、冬の寒い時期に遠くから着込んでやって来る銭湯めぐりの人々には非常にありがたいことだ。脱衣場と浴室の間のガラスにはステンドグラス風の装飾がしてあり、なかなかおしゃれな雰囲気を出している。
まずはサウナなのだが、入口に「桧の香り」と書いてある。期待して入ったものの、サウナの中で香りを楽しもうと息をすうと鼻の粘膜を火傷してしまいそうだ。どこが桧の香りなのか結局わからずじまいだった。サウナは三人も入ればもう満員という狭さだ。そのせいなのか温度もかなり高く、入った時点で温度計は百五度付近をさし、出る頃には百十度に迫る勢いだった。九分程で外に出た。
カランは特に書くべき事もなく普通に使いやすい。ここで特筆すべきなのはやはり湯舟の一つにはられた草津温泉の湯だろう。横に十和田湖のタイル絵があるのは意味不明だが、お湯は確かに草津温泉の色だ。風呂屋のおばさんが何やら茶色い液体を持ってきてどばっと中にいれると、乳白色の湯はしろくにごった薄黄色に変わっていく。何をいれたのかは訊けなかったが、おそらく草津温泉のもとか何かだろう。もっと白っぽい粉状のものを想像していたのだが違ったようだ。
温泉に浸かると硫黄の匂いでむせそうになる。このようなお湯の「強さ」も草津温泉そっくりだ。私はこの手の湯に長く浸かるとかぶれてしまうので短めに二回程入り、座風呂で温まってから風呂をあがった。温泉の匂いは翌日まで体に染み着いていた。
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